2023.10.01
松濤軒 花だより
精進懐石と直会の膳
※松濤軒の『精進懐石』です。
三つの心構え ー三心ー
精進の道の修行と食事は同じくらい大切だとする、法食一等(ほうじきいっとう)という
考え方をあらわすものです。
精進料理を作るにあたり、忘れてはならない三つの心構えが、おコースの名前です。
『喜心』喜びの心をもって調理をおこなう心
『老心』相手の立場に立って調理する心
『大心』隔たりのない広い心を持ち、初心を忘れずにいつも向上心を持って料理に取り組む心
写真にございます前菜に、車麩の照り煮をお付けしております。
車麩は煮るともちもちした触感が際立ち、とても美味しくいただけます。
右手のテリーヌは野菜だけでお作りしてあります。
和食の味が続いた時のアクセントとして、お入れしてみました。
揚げ物は、野菜の春巻きです。
お食事は、季節の野菜の野菜寿司です。五種ございます。
野菜シャワーを浴びて頂く精進懐石は、日頃のお疲れをいやします。
※『直会の膳』
神社神道での神事の後に頂く食事を「直会」(なおらい)と申します。
神様にお供えした、その土地の「山の幸・海の幸」をともに頂くという意味合いがございます。
赤玉は緒さえ 光れど白玉の 君が装いし 尊くありけり
神話『古事記』には、海神・豊玉姫命が祝いの歌を添えて、御子を玉依姫命に託されました。
上総の国一宮の玉前神社は、玉依姫命を祭神として「延喜式」神名帳にも見える古社で
「三代実録」にも記載される由緒ある神社です。
松濤軒の『直会の膳』をお召し上がりになられながら、古代ロマンの神話に思いを馳せる
素敵なお時間はいかがでしょうか。
『直会の膳』三つのコース
青い大海原に姿を消したご祭神の玉依姫命の姉 豊玉姫命の想いに馳せる
九十九里をイメージしたお膳です。
『大海原の膳』
『神馬の膳』
『玉依姫の膳』
直会の膳が気・血・水を巡らせ体を補います。
直会の膳は、新鮮なお魚や貝類がいただけます。